2013年9月中旬、不安定な天候が続いている秋のはじまりであったが、この日は「夏」を感じることのできる最高のカヤック日和。場所は、滋賀県高島市マキノ町海津。カヤックのスペシャリスト大瀬志郎氏が営むグランストリームに遊びに行かせてもらった。
(すぐ背後には山があり、降り注いだ雨が琵琶湖に流れ込む自然豊かなエリア。)
このところ毎年この季節にお邪魔して、ビギナーの自分たちにも楽しめるカヤックの遊び方をレクチャーしてもらっている。カヤック経験日数にするとまだまだ数える程ではあるが、真夏のような日差し照り付ける暑い日があったり、強風と突然の大雨に苦しめられた日があったりと、少ない回数の中でもかなり良い経験をさせてもらっているように思う。
他の参加者や大瀬氏にも話していなかったが、今回は自分の中で小さなテーマがあった。
それは「クルーズ」
カヤックでの琵琶湖クルーズはもちろんであるが、奥琵琶湖周辺の景色を楽しみたくてスケートボードを用意してやってきた!
(クルーズ用に大きめのソフトウィールをセットしたTruetureデッキ)
少し早めに(かなり早かったかも)に到着して近くのキャンプ場周辺をプッシュ!
若干蒸し暑い曇り空。スケートボードで切る風が気持ち良い。
今日はどこを漕ぐのかと琵琶湖を眺めながらキャンプ場沿いに広がる遊歩道をのんびりプッシュ。
そこそこ荒れた路面ではあるがソフトウィールが調子よく転がってくれる。
実は、これは大瀬氏が提案している遊び方でもある。
「水の移動はカヤック、陸の移動はスケートボード」
素敵なクルーズな旅。
ちょっと真似してみたかったっていうのが本音(笑)
早朝のスケートクルーズを楽しんでからグランストリームへ。
大瀬さん、パートナーの久我さん両名と久々の再開。お店で少し話こんでから琵琶湖へ向かうことに。
グランストリームで取り扱っているカヤックは、カナダ西海岸のBC州バンクーバーで作られているFeathercraft(フェザークラフト)というメーカーのカヤック。折りたたんでバックに収納できるナイスな旅の道具。
カヤックを運び終えると早速着水!
全員を琵琶湖に放ったところで大瀬さん達はゆっくり用意を始める。なかなか湖に入って来ようとしない。
その間に久しぶりに水に浮かんだ面々は思い思い好き勝手に漕いでいる。
これ大瀬さんのいつものやり方。好き勝手に漕ぎまわる素人たちは、何となく感覚を思い出し、どうすれば上手に漕げるかなと考え始める。
もちろん様子を確認してのことではあるが(そう思うが)、何の説明もなく「とりあえず漕ぎましょか」の大瀬氏の言葉と共に全員でスタート。
そう!みんなとりあえず漕ぎたい気分になっている(笑)
ご紹介が遅くなりました。グランストリームの大瀬志郎氏。カヤックの達人。
連絡をとろうと思っても大体いつもカヤックで旅に出ている。カヤックのことはもちろんであるが、自然の中に入り込みそれを操る術をマスターしているアウトドアのスペシャリスト。
Truetureのガイドメンバーとして参加いただき、いつもご協力いただいている頼れる兄貴。
この日もスケートボードを後ろに積んで漕ぎ進めている。
「どこで使うんですか?」の質問に「見た目が良いんでカッコだけです」の答え(笑)
大瀬さんのパートナーの久我博道さん。自分たちが遊びに行かせてもらうときには、いつも久我さんもご一緒してくれる。この二人、なかなかの仲良し(笑)
久我さんはテレマークスキーのスペシャリストでもある。妙高関温泉スキー場をベースにしてテレマークスキーの講習、妙高外輪山や火打山等へのバックカントリーガイドツアー、付随する用具の販売を行っている「Sarc(サーク)」の代表。
雪山の話でも盛り上がり、今年の冬は関温泉でバックカントリーツアーができることになるかも。
そんな力強いガイド達に先導していただきながら最初の休憩地点へ。
ここでようやく地図を開いて今日のプランを発表!
これまでは、ある地点まで行って往復するプランばかりだったが、今回は片道で漕ぎ進め「琵琶湖の広さを体感しよう!」という予定のよう。
自分の思い描いていた「クルーズツアー」とぴったりの内容にテンションが上がる。
真剣に聞き入る面々
プラン確認の後、久しぶりのメンバーにレクチャー。
ひと通り漕ぎ進めて感覚をつかみかけているところでの説明で、体の使い方のイメージが一気に膨らむ。
これ大瀬さんのやり方(笑)
そして再び漕ぎ進める。沖に見える島は「竹生島」
年に数回、無断で上陸してはちょいちょい怒られると大瀬氏。やんちゃなスペシャリストなんです。
お昼休憩に着岸。ここまででも結構漕ぎ進めたように思う。少し疲れてきたメンバーもホッと一息。
お昼を食べたのち、自分と大瀬さんはスケートセッション!これがなかなか楽しくて無駄に疲れる(笑)
パッと見える景色にもこの辺りの生活の様子が垣間見える。奥琵琶湖畔の暮らし。自然が生活に入り込んだ豊かなものが想像できる。
今回は、ウィンタースポーツや登山、サーフィンなどアウトドア好きなメンバーがそろった。
軽量で便利なクッカーでちょっと温かいものを体に入れるメンバーも。とは言え、この日は暑かった。どちらかというと冷たい飲み物が欲しかったかも。
しっかり休憩をとった後、さらにカヤックを漕ぎ進める。近くで漕ぐ人と会話を楽しみながらののんびりクルーズ。非日常な水面スレスレの空間でのんびりした時間を過ごせるのもカヤックの大きな魅力。
あまりにも暑いので琵琶湖にダイブ!めちゃくちゃ気持ち良い!!
ライフジャケットを装着しているので泳げない人でももちろん大丈夫。冷たい水が疲れた体に沁みる。
カヤックに戻る時に中に入ってきた水を、ポンプのような器具で排水している。
ドンドンと漕ぎ進め初体験の水路の方に
おそらく昔から使われていた水路ではないかと思うが、目線が低くジャングルを漕ぎ進める感覚。
このままジャングルを漕ぎ抜けて今日のゴールへ!
ゴール地点で数艇のフェザークラフトをたたむ。手際よく収納する大瀬さん、久我さん。
こんな小さなバックに収納できるとは驚き。
当然何もお手伝いできない我々。
スケートボードで遊ぶ。
申し訳ない。。。
この後、車で出発地点に戻ることとなったのだが、
漕いでいるときには確認できなかった水路の周りには、綺麗な田園風景が広がっていた。
一日カヤックを満喫した面々は、グランストリームでコーヒーをいただきながら大瀬さんの旅の話を伺う。
この6.7月に行かれた“HAIDA GWAII”の思い出話も色々と聞かせてもらった。
こちらはまた改めて特集記事にさせてもらいます。
これまでの旅のマップも壁に貼り付けられている。
今問題の尖閣諸島のすぐ近くにも旅の記録が。
いまひとつその位置関係や距離感に実感がなかったが、目の前にいる人がカヤックで漕ぎ進めた場所のすぐ近くに位置しているのを見ると、何とも不思議な感覚に。法律上カヤックは「流木」と同じ扱いになるそうで、海の上の移動手段としては数少ない法律に縛られない乗り物だそう。海を自由に漕ぎ進むカヤックを想像すると、「国境」なんて区切りは、何とも無意味なちんけなものに感じられてくる。。。
Feathercraftが浮かぶ素敵な空間で長らく談笑させていただき帰路へ。
なんとも充実した一日を送ることができた。
この日一日カヤックを漕ぎ進め、水面の非日常にいて改めて感じたが、「自然の目線」になれる遊びってやっぱり楽しい。土に近い、水に近い、木に近い、雪に近い、空に近い、きっとなんでも良いんだと思うが、その近くに行くと普段見えないものが見えてくる。「日常の生活の中では見えないものを感じる」これアウトドアの最大の魅力かなと改めて実感することのできた琵琶湖カヤッククルーズだった。
大瀬さん・久我さんに感謝。
今回、琵琶湖カヤッククルーズのガイドをしてくれた大瀬志郎氏のご紹介はこちらで
大瀬志郎 「feathercraft(フェザークラフト)」専門店「Granstream(グランストリーム)」
2013年9月 text : kuma
動画も作成しました!ぜひ♪
琵琶湖カヤッククルーズ in Granstream(フェザークラフト)